Headphone Junky

歴だけはそこそこあるホムシアオーマニの偏ったお話

ORIGINAL VOICE 972PRO。勇気を出して購入してよかった。

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ORIGINAL VOICE 972PROの感想を残しておきたいと思う。

まず、デザインとビルドクオリティについて。
ハウジングは木製でグリルは金属製、ヘッドバンドのアーチは扇形の金属製に革のハンモック。形状含め、ぶっちゃけHIFIMANのHE1000系統に似ていると思う。
これで音が悪ければただのデッドコピー、まがいもの、で終わり。ちゃんちゃん。なのだが、個人的にはこの、音がかなり気にいった。

音出し後すぐは解像度が高く情報量が多い、どちらかというと音像型に感じた。
ただ、平面振動板なのに音が若干遅く感じられる。
具体的な印象として、音の出に、かすかなタメがある気がした。
平面振動板のヘッドホンは、好きなので、安価なものから高価なものまで、かなりの機種を聞いたが、どちらかというとスピード感に富んでいた。
こんな印象を持ったのは初めてのことだ。

まあ、値段なりの音と言ってしまえばそれまで。
この音でも、前述のように解像度、情報量は申し分ない。付け加えて音像がドッシリとして実在感がすごい。
大きなナタで振りかぶって切ったような音と言ったら想像いただけるだろうか。この個性は無二のものかもしれない。

ただ、前述のタメのようなスピード感のなさから、どうしようか、エージングしてもこのままだったら手放すか。本気で考えたりもした。

このヘッドホンを手に入れ、我慢して聞き続けて3日ほど経ったろうか。
タメを感じなくなった。
そうなると、このヘッドホンの個性がすべてプラスに働く。
重いナタでぶった切るような音が、切れ味のよい日本刀のような音に変わった。
手持ちのヘッドホンの中で、SONOMAに次ぐほどの情報量と解像度に感じる。

特筆すべきは低域だ。低域の実在感と解像度は今まで聞いたヘッドホンのなかでナンバーワンなのではないだろうか。

 

このヘッドホンの美点はまだある。
装着感が最高に好みだ。側圧とイヤーパッド位置が適正なのだろうか。
今まで、これ以上に装着して楽なヘッドホンはなかった。
公称480gと、手持ちの中では最重量、一般的に見ても重いほうだろう。
それなのに重さをほとんど感じない。

趣味の世界で、コストパフォーマンスなんざは言いたくはない。
しかしこの価格で、このクオリティの音が手に入るのなら、安いと言いたくもなる。

音がよくてつけ心地もよい。
個人的に、最近はこのヘッドホンがメインなのだ。