Headphone Junky

歴だけはそこそこあるホムシアオーマニの偏ったお話

お試しにならないお試し?バランスDAC導入!

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前回、アンバランス→バランス変換のトランスを導入し、好印象だったことを書いた。
そうなると本格的にバランス出力のDACを入れたくなってしまった。

 

ただ、本格導入ということになるとそれなりの機種が欲しい。
最近はSTAXアダプター、Shangri-la jr、SONOMA用の電源、それにプラス隠しダマでもそれなりに使った。
要するに本格導入するにはいますぐには予算がこころもとないと言うことだ。
やむを得ない。今回は仮ということで安価なDACを購入することにした。

 

ぼくが信頼しているオーディオチューニングショップがある。
新潟にある根布産業さんだ。
こちらではオーディオ機器のチューニング、自作スピーカーの販売、自作ケーブルの販売をされている。
まだぼくが3管式のプロジェクターを使っている時代だったか。そう、15年ほど前のことだろう。実際にお会いし色々とお話しも伺ったこともある。
実直そうな印象の風貌。某音響機器メーカーで働いていたこともあるそうで機器の内部構造についても詳しい方だだった。

その根布産業さんが最近特に力を入れているのが中華DACのチューニングだ。
安価な中華DACの内部に手を入れることで、高級機に匹敵する音質になるという。
ぼく自身は、物量には意味があるというスタンスでオーディオ機器を選ぶ傾向がある。
まあなんだ。いい音を出すにはカネが掛かることを経験として感じていたのだ。中華DACから高級機と遜色ない音が出るなんて。根部さんの人柄を知っていても、俄には信じられない話だ。

ただし、今回は新DACの、本格導入の前のお試しのようなものという立ち位置だ。根部さんがそう言うなら、中華DACを購入してチューニングをお願いしてみてもいいかな。そう思っていた。


久しぶりに根布産業さんのHPを覗いてみた。
HPやブログには、いろんなDAC、プレイヤーやアンプのチューニングについての情報がかなりの量、掲載されている。
少し前に一世を風靡した感のあるOPPODACや、パナソニックのUHD-BDレコーダーのチューンと共に沢山の中華DACのチューンも記録されていた。

その中にいわゆる中華DACのカテゴリーの製品、SMSLのSU-9の記事が有った。
USB入力とRCA出力に問題はあるが、チューニングさえすれば、それ以外の音は良いとのことだ。
今回、ぼくはXLR出力で使う予定で、いまの環境上、PCからはDDCから同軸でも出力できる。
なんと言っても安い。調べてみると新品の販売価格で、4〜5万円程度のようだ。

さらに根布産業さんのHPの特価品のコーナーをチェックする。スクロールして見ていくと、そこに同氏がチューニングされたSU-9があるではないか。
チューニングしたのもかかわらず、ノーマル品を買うよりも安い。
2、3分思案し、ぼくは購入することにした。

 

根部さんにチューンされたSU-9は、代金を振り込むと中一日で届いた。
さっそくシステムに繋いだ。期待してはいなかったがやはりUSBの音は良くない。輪郭がキツく立体感がない。
しかしDDCからのデジタル出力を、同軸で入れてみると全く違う音だ。
ぼくが使っているDDCは48khz16bitまでしか対応してしていないが、音はUSBでPCから直接SU-9に入れるよりも数段うえだ。
輪郭が実に自然で情報量が多く、レンジが広いように聞こえる。

現在ぼくが使用しているDACは、日本オーディオという音響用の測定器も開発しているメーカー製で、この日進月歩のチップが礼賛されるご時世に、バーブラウンのPCM56というCD初期のチップを積んでいる。
ただし、音は良い。
不案内なので詳細は理解していないのだが、デジタル、アナログそれぞれに計5基のトランスを使い、配線には綿巻線を使用。コンデンサの外装のフィルムは剥がし、メーカー独自の出力アンプ素子を開発している。
まあ簡単に言うと物量の権化ということだ。
これでバランス出力さえあれば安価なDACをお試しで買ってみたりはしなかっただろう。


しかしまあ、買ってみると価値観がひっくり返ってしまった。
これがバランス出力の力なのだろうか。

SU-9が全てにおいて上だとは言う気はない。
項目を作って点数を付けていくとほとんどの人が、大体の項目でネブチューンのSU-9が優れていると感じるのではないだろうか。


お試しどころかメインを食いそうだ。

いやはや。
すごい時代が来たものだ。