Headphone Junky

歴だけはそこそこあるホムシアオーマニの偏ったお話

個人的な最適解!ウエストリバー製STAXアダプター!

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エストリバー=川西先生に静電型ヘッドホンについて相談した。

エストリバーは、ぼくが1番好きなアンプメーカーだ。
基本的にはスピーカー用のプリアンプとパワーアンプを製作されていて、ぼくも購入当時はスピーカーメインで音楽を聞いていたということもあり、プリアンプとパワーアンプを購入させていただいていた。
ヘッドホンメインで音楽をを聞くようになっても、ウエストリバーのプリアンプに付属の、ヘッドホン端子でダイナミック型のヘッドホンを聞いていれば充分満足できた。

欲というものは限りない。プリアンプに付属のヘッドホン端子は6.3mm。いわゆる標準端子、もちろんアンバランス接続になる。手持ちのヘッドホンには、バランス接続用のケーブルが付属しているものがある。バランス接続ならもっと音が良くなるのでは。
ぼくは主宰の川西先生に連絡してみた。あわよくばバランス出力付きのヘッドホンを特注できないかと考えたのだ。

答えは「ノー」だった。
川西先生の考えとしてはバランス接続でもアンバランス接続でもキチンとそこを踏まえて設計さえすれば音は変わらない。ましてやウエストリバーのプリアンプ付属のヘッドホン端子よりも音のよいものは作れないということだった。
潔い回答だった。
残念な気持ちもあったが、ぼくは散財しなくてよくなった。

それから半年ほど経った。
ダイナミック型のヘッドホンアンプはウエストリバーのプリアンプで満足して聞いていたが、ぼくの興味は静電型のヘッドホンに移っていた。
音の実在感やダイナミックレンジ、低音の音圧などはダイナミックタイプのヘッドホンに劣るが、静電型の理論上、はるかに軽い振動板が出す自然な音の立ち上がりと引き際。それに付随する情報量は個人的に可能性を感じる部分だ。

今まで試した静電型アンプは4機種。
HIFIMANのJADE2用アンプ、STAXの旧世代ソリッドステートアンプSRM-727A、イシノラボの特注真空管式、ガレージメーカー製のKGSSHV CARBONだ。

この中で、KGSSHV CARBONは個人的に素晴らしいアンプだと思う。試した中では段違いに好きだ。
頭の周りの空間に、音がキレイに浮かぶ。
音色もこの世のものと思えない美音だ。
欠点もある。反対に言うと美しすぎるとも言える。ぼく個人としては、それはそれで楽しんで聞いているが、写実性を考えるとダイナミックタイプに明らかに劣るように感じるのも事実だ。
KGSSHV CARBONは海外では非常に評価が高いアンプで、これがダメならもう静電型ヘッドホンの限界なのだろうかともぼくは考えていた。

最後の最後に、ほとんどダメ元で川西先生に聞いてみた。
「静電型ヘッドホン用のアンプは製作できないでしょうか?」
その日に返事が来た。
「アンプは無理だがパワーアンプの出力をSTAX用に変換するアダプターなら作ることができるかもしれない」
ぼくにとって予想外の返事が返ってきた。
翌日には製作するための概算の予算の連絡があった。想像していたよりも安い。
ぼくはその日のうちにオーダーすることを決めてメールを送った。

振り込みしてから2週間ほどでSTAXアダプターはぼくの手元に届いた。
接続、一聴して顔に笑みがこぼれたのがわかった。
当たり前かもしれないがウエストリバーの音がするのだ。
情報量が多く、解像度が高いのに輪郭がスッキリして自然な音。ぼく個人はウエストリバーアンプの音をそんな風に捉えている。
その音を聞いて、ぼくはやっと静電型ヘッドホンの真価が理解できた気がした。