Headphone Junky

歴だけはそこそこあるホムシアオーマニの偏ったお話

底が見えないヘッドホンたち!972兄弟!

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昨年末、クリスマスごろにORIGINAL VOICEの972MAXを購入した。

本来なら、そのころには12月頭に発注した受注生産製のパワーアンプが届いて、それどころではない予定だったのだがアンプ製作完了の連絡がない。
(あとで製作者に聞いた話では、外注先の筐体の印刷が仕上がらなかったそうだ)

それならばと、気になっていたヘッドホンを先に買うことを思いついた。

それはORIGINAL VOICEの新型のヘッドホンだ。
ばくはすでにORIGINAL VOICEの972PROを使っていてる。非常に素晴らしいヘッドホンだと感じていた。

新型の音質傾向をメーカーに質問してみた。返事はすぐに来た。972MAXは972PROの上位モデルではなく、性格の違う兄弟モデルのようなものだということだった。
ぼくの個人的な評価では、972PROは音質の割に価格がすこぶる安い。
円安の関係で972MAXは値上げされているが、972PROと同じグレードの音がするなら、その価格でもコストパフォーマンスはかなり優れているだろう。
またツイッターで拝見した購入者さんにもDMで聞いてみた。
非常に好印象のようだ。

欲しくなったらすぐに欲しい。
自分へのクリスマスプレゼントだ。ぼくは自分に言い訳して、注文することにした。

新しいヘッドホンは中1日で届いた。

すぐに開梱する。
見慣れた外観のヘッドホンが出てきた。
それもそのはず、972MAXは972PROとほぼ同形状である。開放型のグリルに開いた、開口部の形が若干違う程度の違いしかないのだから。

付属品のケーブルが、標準ジャックの銀色の被覆のものから、3.5mmジャックの黒い細いものに変更されている。ここも円安の皺寄せだろうか。
いいヘッドホンでも、ケーブル次第では能力を発揮できないのではないとぼくは考えている。
このご時世だ。仕方ないのかもしれないが、正直言ってもったいないなと感じた。
ぼく自身は手元に972PRO用のケーブルがある。ぼくはこのケーブルを使い回すことにした。

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当日には隠し玉も届いた。972MAXを実際に購入したかたの評価では、アンプを奢るとそれに追随して音質があがっていくそうだ。
ただ、個人的にはウエストリバーアンプから浮気することは今のところ考えていない。
ヘッドホンアンプについては今までに何種類か使ってはみたのだが、結局ウエストリバーのプリアンプに付属のヘッドホン端子に戻ってしまっていた。そんな経験上、そのプリアンプのヘッドホン端子を超えるのはなかなかハードルが高いと感じている。
それならパワーアンプはどうだろう。プリアンプとペアで使う予定のパワーアンプ。その出力をヘッドホン出力に変換する変換器がオークションサイトで見つけていた。それを落札してみたのだ
これを使えば、まだ届いていないパワーアンプも、有効に活用することもできそうだ。

さて、音出しだ。
とりあえずはいつものようにプリアンプ のヘッドホン端子に接続しよう。
もちろんケーブルは972PROに付属していた6.3mm標準ジャックのものだ。

972PROの開梱時でもそうだったので、心配はしていなかったが音出しの最初は少しこもり気味。やはりしばらく通電しないといけないようだ。
そのまま約2時間程度聞き続けたが、どんどん音がクリアになっていった。
この時点でも充分に素晴らしい音だ。
その後パワーアンプ→ヘッドホン出力変換器を通すことで、さらに良く鳴るようになった。

音の感想を書いていこう。
比較のヘッドホンも全て上記のパワーアンプから変換器を利用して比較した。

音場は972PROとほぼ似ている。
それなりの距離感を持って聞こえてくる印象だが、一聴すると近く感じるかもしれない。
それは音像が大きく感じられるせいだろうか。
972PROよりも972MAXのほうが若干ではあるが高域が抑えられているのだろう。音にさらに輪郭を感じない。
奥行き表現も同様で、無理矢理奥行きの分離を出すことなく、自然にひとつひとつの音を感じさせてくれるようだ。
手持ちのダイナミックタイプのヘッドホンの中で音場に1番秀でるのはLSAのHP-1だが、音場に関してはそれには若干だが劣るような気がしたので聞き比べてみた。
それは杞憂だった。現環境では明らかに972系のほうが音の定位がはっきりして、音場も広く感じられる。
ダイナミックレンジに関しては高域優先の972PRO、低域優先の972MAXというイメージだ。これも比較試聴すればというレベルで、どちらも優秀だと思う、と言うか、このあたりの表現は手持ちの定価20万円クラスのダイナミックタイプのヘッドホンレベルでは比較にならないくらい良いと感じる。
強いて言えばクラシック向きの972PRO、ロックを気持ちよく聞くなら972MAXなのかもしれない。ただし、あくまでも強いて言えばのレベルだ。個人的にはどちらも万能にどんなジャンルでも聞ける。

この2機種の価格、10万円以下を考えると価格破壊もいいところだ。
正直音のスピード感を除けば、この2機種のヘッドホンの表現力は、STAXのSR-009Sクラスと同等レベルに感じるのだ。