Headphone Junky

歴だけはそこそこあるホムシアオーマニの偏ったお話

KGSSHV CARBONのバランス駆動

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現在、ウエストリバーのアダプターを使って静電型ヘッドホンを鳴らしている。その前はKGSSHV CARBONという静電型専用のアンプだった。
このアンプで聞くSR-007Ashangri-la jrの音は、それなりに良い。ウエストリバーのアダプターと比較すると、写実性に欠ける気がするが、音が柔らかく繊細で、いわゆる一般的に言われる美音なのだと思う。
最近は、このアンプ、色付けが強い気がするのと音色が単調に聞こえることもあり、ウエストリバーのアダプターを使うほうが多くなっていた。
ちなみにこのアダプターとSR-009Sとは相性が悪い。高域がキツく聞き疲れするのだ。RCAケーブルのグレードを下げるとそれなりに雰囲気よくは聞こえる。音の良し悪しとしては本末転倒である。

出番が少なくなったとは言え、KGSSHV自体には気にかかることがなくはない。
本当はこのアンプ、もっと音がいいのではないだろうかという懸念だ。
想像するには根拠もある。このアンプは、もともとバランス入力、いわゆるXLR入力端子しか付いていない。潔いと言える。
STAXの5極端子を利用する静電型ヘッドホンは、ヘッドホンの構造的に、音が出る振動幕の両面に電極がある。
その電極にプラスとマイナス、どちらの電気信号も送ることで、振動幕を前後に押し引きし、結果音が出るという構造だ。プラスマイナスどちらの信号も同等に扱うという意味で、バランス電送はSTAX方式のヘッドホンと相性がよいと言えるのではないだろうか。
ならは、バランス入力可能なSTAX方式アンプにはバランス出力をそのまま入力するのが道理。
この点がずっと引っかかっていた。
現用のDACはアンバランス、RCA出力専用なのだ。
DACのアナログRCA出力を、ノイトリックのXLR変換コネクタで変換、接続していた。
音は出るが、この形ではアンバランス入力していることになる。
値段と手間優先でコネクタで変換していたが、バランス駆動のアンプにバランス入力できていないのは地味にストレスになっていた。

バランス出力のあるDACを探してはいたが、なかなか決定的なものが見当たらない。
現行のDACはマイナーなオーディオメーカー、日本オーディオのDACで、もともと真空管出力のものを、メーカーにて製作者が最高になるように改修したものを使っている。
カットコアトランスを5つも使い、内部ケーブルも綿巻きケーブル。音を濁らせる抵抗の被覆を剥がし、出力アンプも自社製と言う。
なかなか確実にこれを超えると言えるものがない。

更にはケーブルの件もある。
RCAでしか機器を使ってこなかったので手持ちに満足なXLRケーブルがない。
ぼくが1番信頼しているRCAケーブルの製作者さんも体調から一時ケーブル製作をストップしていた。
もしもバランス出力DACを買っても繋ぐケーブルがない。
ま、ケーブルも無いしDAC更新は少し先しようと考えていた矢先、XLRケーブルが製作いただけることになった。
このタイミングを逃すと次に作っていただけるのがいつになるか分からない。
すぐに発注させていただくことにした。

ケーブルはあっという間に届いた。
届いたら使いたい。
ぼくは一旦DACの更新はあきらめ、トランスでアンバランス信号をバランス変換することを考えた。
具体的には、ヤフオクRCA→XLRへの変換トランスを見つけたので、それを購入することにしたのだ。
落札後すぐに商品は届いた。
すぐに件のXLRケーブルで繋いだ。
大正解だった。
ただの美音に写実性が宿ったようだ。
写実性がありながら、キツくならない。
音楽を聞きながら、ぼくは大満足だった。やはりバランス入力は正解だったと、高揚した頭で考えていた。


まあもちろん、精神衛生上の効果もあるのだろうが。