Headphone Junky

歴だけはそこそこあるホムシアオーマニの偏ったお話

HIFIMAN DEVA購入記

先日、ANANDAと入れ替えで旅立って行きましたので、もう手元にはありませんが、個人的に超オススメのヘッドホン、DEVAについてレビューしておきたいと思います。

 

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DEVAを購入したのは2020年の11月だったと思います。それまでは、しばらく密閉型のヘッドホンのみを使っていました。

もともとはGRADOのヘッドホンが好きで、PS500を使用していたのですが、家族からの音漏れの苦情で密閉型のヘッドホンに転向したという経緯がありました。

ところが、密閉型のヘッドホンで昼間に音楽を聞いていると、来客の際、インターホンに気づかないのです。

もちろん、家族が在宅の場合は特に問題ないのですが、留守にしているときに配達された荷物の不在票を見るたびに罪悪感を感じていました。

というわけで、昼間、家人が留守の際に使うヘッドホンとして、開放型のヘッドホンを購入することにしました。そのため、専門店まで試聴しに行くことにしました。

ぼくは、個人的に平面駆動のヘッドホンが好みなので、その中でもメジャーで、試聴のしやすいのはHIFIMAN、AUDEZE、Mr.SPEAKERS3社くらいでしょうか。

日本のメーカー、FOSTEXにも平面駆動のヘッドホンはあります。現行型で評価が高く有名なのは、T60RPでしょう。このFOSTEXの平面駆動の人気機種、T60RPは、ほんの短期間だけですが、所有していたことがあります。それについてはまたいつか書きたいと思います。

 


某専門店に入り、まず、AUDEZEのものから聞いてみることにしました。

そのお店には、AUDEZEの試聴機として、LCD-1とLCD-2closed-backがありました。LCD-2のほうは密閉型ということで、もしこれが本気で欲しくなったら、現状のメイン機、ETHER Cと入れ替えることになると思います。

LCD-1は、以前別のお店で試聴したときに非常に好印象だった記憶がありました。

 

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あらためて聞いてみましたが、やはりよいです。音の輪郭に強調感がなく、派手さがないので、特になにがよいとか指摘しにくい音です。平面駆動らしく反応が速いせいか、耳なじみがよく自然に感じます。

難点は、少しイヤーパッドが小さいこと。ぼくは大柄で顔もデカイので、耳もそれなりに大きいです。もう少し余裕があればいいのになぁと感じました。

続いてLCD-2closed-backです。

 

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この機種が、いまいちピンときませんでした。もしかしたらメイン機を置き換えることになるかも、と考えながら試聴したので、期待が大きすぎたのかもしれません。

高域の伸びが少し寸詰まったような印象で、個人的には、これだったらダイナミック型のヘッドホンでもいいかも、と思ってしまいました。

当時、同じメーカーのEL-8も持っていたのですが、聞いた環境が違うので実際のところはなんとも言えませんが、そのEL-8のほうが好みの音がしていたと思います。

 


続いて聞いたのはダークホース、ミッチェルアンドジョンソンのMJ2です。

 

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これはコンデンサ型の高域にダイナミック型の低域を組み合わせたハイブリッドタイプで、これも別のお店で聞いたときに印象がよかったです。

しかもこのMJ2は、デザインが好みです。珍しい角ばったデザインで木製のハウジング。明るい色合いも含め、デザインだけで欲しくなります。本体も軽く、装着感もよいです。^ ^

さて、音です。うん。いい。強調感がなくてスッと音が出てきます。情報量はそこまで多くはなく、音と音の距離感がとれるタイプじゃないのであまり多く音が重なりあうような音源は混濁しがちかもしれません。小編成のクラシック、アコギ使用のロック、ポップスあたりを聞くとハマると思います。

 


Mr.SPEAKERSのヘッドホンは試聴機がなかったので今回は聞けませんでした。

AEON FLOWの開放型か、ETHERがあればよかったのですが残念です。

 


次にHIFIMANのヘッドホンを聞くことにしました。

試聴機があったのは、試聴順にDEVA、SUNDARA、HE-5SE、ANANDAの4機種です。

 


まず、DEVA。

 

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初手からこの機種がすばらしい。反応が速く、歪み感が少なく感じます。エッジの立たない音なので、耳にスッと入ってきて聞き疲れしなさそうです。情報量も多く、位相がよいのか、定位も少し離れた位置でピタッと決まります。あと、何が理由かははっきりと言えないのですが、S/Nがよく、音のひとつひとつが浮き立ったように聞こえてきます。弱点としては、強いて言えばですが、少し力感や立体感が弱いかもしれません。

 


続いてSUNDARAを聞きました。

 

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同じメーカーのDEVAと同じような価格帯なので、似た音が出てくるかと期待したのですが、全く違う系統の音に聞こえました。

あまり平面駆動を感じさせない音と言えばいいのでしょうか。帯域バランスや位相、高低での音の速度感などは自然でいいのですが、 DEVAを聞いたときのようなひとつひとつの音が浮き上がってこないのです。反面、力感は DEVAよりもよいようでこちらが好きなかたもいると思います。

 


SUNDARAの次に聞いたHE-5SEは、SUNDARAをさらにブラッシュアップしたサウンドだと思います。

 

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とくに平面駆動ならでは、という個性を出さず、誰が聞いてもよい音だと思います。

HE-5SEは、SUNDARAよりもレンジ感が広く、高域のキレと低域のスピード感と勢いも素晴らしくよいと思います。

ただ、ぼくの好みから言うと、 平面駆動ならではの個性が感じられるDEVAのほうが好みです。

 


最後にANANDAを聞きました。

 

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ANANDAはもともと予算オーバーなのですが、もしどうしても欲しくなったら、予算ができる来月まで待って買えばいいか、と試聴することにしました。

ううむ。やはり試聴したヘッドホンの中でいちばん高価なだけあるようで、よいです。

先程聞いたDEVAの発展系で、レンジ感も拡大、質感の描写が丁寧になる印象です。

懸念があるとすると、ほんの少し音のキレ味がよすぎて耳につくかも、ということですが、これは買えないからという負け惜しみかもしれません。

 


この時点で、こちらのお店で聞いてみたい機種は、ほぼ聞きました。

念のためにゆっくりともう一周聞いてみた結果、あらためてとDEVAとANANDAのよさを再確認、することができました。ANANDAが欲しいのはもちろんですが、DEVAでも充分満足度が高いと考え、 予算内で充分おさまるDEVAを購入することにしました。

 


家に帰ってから、据え置きの環境で聞いてみても、DEVAは非常に好みの音で、判断は間違ってなかったとあらためて思いました。また、 DEVAは無線接続が可能なので、コードにしばられずに音楽を楽しむことができます。とくに掃除などの家事をしながら、BT接続で聞くのは非常に楽しく、なにより音がよいのがすばらしい。もちろん有線ではさらに実体感が増すので、1台で2度おいしいです。

 


ANANDAを購入する際に、予算上の問題と、 ANANDAの下位互換かなと、個人的には思うDEVAは、結局手放してしまったのですが、今でもそれをすこし後悔しています。たびたび買いなおそうかとも思うのですが、いまのところはまだなんとか踏みとどまっています。