謎の平面駆動ヘッドホンあらわる。
ORIGINAL VOICE 972PROを購入した話を書く。
昨年(2021年)、HIFIMANのJADE2を購入する前あたりなので、5月〜6月あたりだろうか。
もともと、JADE2を決め打ちということもなかったので、いろいろなヘッドホンを検討していた訳だ。
最終的には試聴の上、7月にJADE2を購入したのだが、検討段階では、ネットでいろんな機種のレビューや感想を検索しまくっていた。
個人的に平面駆動タイプのヘッドホンが好きな自覚があるので、いきおいその方式のものを中心に調べることになる。
平面駆動で国内販売の有名どころとしては、AUDEZE、HIFIMAN、MR.SPEAKERSだろうか。もちろん国産ならFOSTEXがある。あとはHEDDか。
他にメーカーはないだろうか。
探しているとあるにはあった。今まで耳にしたことのないメーカー群だ。入手性が悪かったり評判がよくなかったり、聞かずに購入するには高額だったりと、それなりのリスクがあるように感じた。
そのなかにORIGINAL VOICE 972PROはあった。ぼくはそれを発見したとき、HIFIMANのメインモデルに似た、ガレージメーカーで作られた変わったヘッドホンがあるな、という印象だけを覚えた。
あまりにも聞いたことのないメーカーで、もちろん試聴もできない。
当時はたくさんある開放型ヘッドホンを断捨離して、ひとつに絞ることが目的だった。
それなりにリファレンスとして使えるものが欲しい。結局試聴できるものから選ぶことにし、HIFIMAN JADE2に落ち着くことになった。
しかし、この話しには続きがある。
その数ヶ月後、JADE2で飽き足らず、SONOMA MODEL ONEを購入することになった。
勢いで購入したのだが、正直言って、リファレンスとしてこれ以上のものが果たしてあるのだろうか、というくらい気に入っている。
同じ静電型であるJADE2の出番が、ほぼなくなるくらいに。
閑話休題。年末に、今年一年がんばったご褒美に、なにか自分にプレゼントを買おうと考えた。
今メインで使っているSONOMA MODEL ONEは音はいいがまったく濃くは感じない。
サブの LSAのHP-1も、その見てくれに反して王道というか、どちらかというとモニター調のサウンドのように思える。
予算を考えると中古で出ているAUDEZEのLCD-4がよさそうだ。ハウジングに傷ありだが安い。
LCD-4の評判は、「濃い」。
今使っているヘッドホンに濃いものはない。
使い分け出来そうだ。
ツイッターを検索してみると、相互フォローのかたでLCD-4を激推ししているひとを見つける。
聞くと、「濃いのが欲しいならオススメ」とのことだった。
ぼくは中古店にLCD-4の問い合わせをしてみることにした。
お店から返事はすぐにあった。
写真を送りますとあった。
送られてきた写真を確認すると、想像以上に傷だらけだった。LCD-4のハウジング、自慢のローズウッドの突き板が、見るも無惨に割れてはげている。
イヤーパッドやヘッドバンドなんかは交換可能だが、ハウジングは無理だろう。
先日購入したHP-1は手元に来たときのコンディションがよく、到着したときに気分が良かったことを思い出す。
丸一日考えて、今回はやめることにした。
じゃあ年末のプレゼントには何を買おうか。
某フリマサイトで気になるヘッドホンを発見。これも前出の知り合いが以前持っていたそうだ。聞いてみることにしよう。メッセージを送った。
彼からの返事を待ちながら、同じフリマサイトを物色する。
そうだった、JADE2を購入する際にいろいろ探していると、このフリマサイトでおもしろいヘッドホンが出品されていたのを思い出したのだ。
それがORIGINAL VOICE 972PROだ。
どうも、個人に近いガレージメーカーが作っている平面駆動ヘッドホンで、1日に2台しか生産できないそうだ。
ツイッターに購入されたかたの感想も落ちていたが、絶賛に近い。
デザインはHIFIMANに似ているが、質感をはじめ革の色や突き板の色も写真で見る限り悪くなさそうだ。
しかも、以前見たときから少しずつ値段が下がり、正月特価ということでさらに値引きされている。
ぼくが見たときには出品はなかったが、出品者にコメント欄から連絡してみることにした。
返事はその日のうちにあった。今頼めばどうも年末到着に間に合うようだ。
知り合いに問い合わせているヘッドホンと合わせてもなんとか予算内におさまる。
ぼくは怖いもの見たさも手伝い、注文してみることにした。