「醜いアヒルの子」日本オーディオ製DAC編
前回はアンプ編を書いたので、さらにその前段、DACについてご紹介したいと思います。
ぼくは、もともとホームシアター趣味からオーディオ趣味に拡大していった経緯があり、はじめた時、最初のメインソースはDVDでした。続いてBSデジタル放送でのハイビジョンソース、最近ではCDやBD、YouTubeなどもよく見聞きするようになりました。
ホームシアター趣味をはじめてしばらくして、これらのソースをすべてシームレスに再生するデバイスとして、ぼくは、PCを選択しました。
CD、BDなどの円盤はリッピングし、BSデジタル放送はPCで録再、もちろんYouTubeも。
PCだけで全てのソースを再生するようになって、もうかれこれ20年近いと思います。
最初の頃はPCにサウンドカードを組み込んでいましたが、自然な流れでUSB DAC、最終的にはUSB DDC+DACへと移行していきました。
オーディオとホームシアターは、ぼくの趣味のなかでもかなり長い趣味になりましたので、使ったDACもかなりの数を使いました。
PRO-JECTのUSB BOX、RMEのFIREFACE UC、ローランドのオクタキャプチャー。FIREFACEにはデジタル出力もあるので、DDCとして使い、DACとして、FIDELIXのCAPLICE、テクノクラフトオーディオデザインのmodel45、インフラノイズのDAC-1、それから、前回も書いたマランツのHD-DAC1を使いました。
そして、現在使用しているのが日本オーディオ製のDA-5000です。
ちなみに、日本オーディオのホームページは以下です。マイナーなメーカーと思いますのでリンクを貼っておきます。
かなり古いDACですが、何代かモデルチェンジした後継機は、まだ生産されているようです。
DACチップにはいまは亡き、バーブラウンのDAC56(TIでチップ自体はまだ生産しているそうです)を使用したDACですが、設計者は、このチップにこだわって使っているそうです。
うちのモデルは、中古で購入したのですが、もともと出力に、真空管を使用していました。
音は非常に素直な音で、一聴して解像度も高いのに聞き疲れしない、すばらしいものでした。気に入ったので、長く使いたいと思い、入手してすぐにメーカーにオーバーホールに出しました。その際に、メーカーから、半導体出力に変更したほうがいいとご提案いただきました。
音に関しては元のままでも非常に気に入っていましたし、費用も、本体入手価格よりもだいぶん高価だったので、悩みましたが、ひと晩考えてお願いすることにしました。
トランスやコンデンサー関係、ヒューズなども現行の製品のものと同じものに交換いただいたらしく、帰ってきたDACが、まったくちがう音になってしまったのでかなり戸惑いました。
情報量が増えたのはいいのですが、かなり音が固いのです。
本領を発揮するようになったのはバージョンアップ後、
一ヶ月ほど経ってからでしょうか。オーバーホール前と同じように自然な音になりました。自然なだけでなく、情報量は増え、音の実体感が増し、ヘッドホンで聞いていても、音の像が目の前に浮かびます。音のリアリティにかなり差が出たように思います。
DACが気に入ったので、すぐにそのあと、試聴させていただき、 USB DDCも日本オーディオの物を購入しました。
DD-3000U/Sという型番で、USB信号をSPDIF信号に変更するDDコンバータです。48khz/16bitまでの信号しか対応していません(DACのほうは192kh/24bitまで対応しています)。このDDCとDACの組み合わせを聞くと、それより上が、はたして必要なのだろうか、と考え込んでしまいます。
その後、2、3年経ったころ、メーカーからの提案でこのDDCは下取っていただきました。現行のDD-7000U/Sに変更していただいたのです。
これはスペックは同一ですが、音はさらにS/Nがよく、情報量が増え、高域のキレや低域の締まりがよくなったように感じています。
最近ではハイレゾのソースが当たり前に手に入ります。それをキチンと再生したいなぁと思い、高いスペックの製品に憧れて、お店に行って試聴してみたりすることもあるのですが、いまのところこの組み合わせから移行する気にはなっていません。
DA-5000は鉄板を組み合わせたタダの箱、DD-7000U/Sにいたってはプラ製と、ウエストリバーアンプに負けず劣らず、日本オーディオの機器はブサイクだと思いますが、案外、そんなところも気に入っています。