Headphone Junky

歴だけはそこそこあるホムシアオーマニの偏ったお話

STAXを鳴らし切る!CARBON参上!

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前回の記事に書いた通り、イシノラボの特注STAX用アンプの音が、どう工夫しても好みではなかった。
そのとき、運良くか悪くかはわからないが、某オークションで、激レアのSTAX用アンプ、KGSTと、 KGSSHV CARBONの出品を発見した。
どちらも中身の基盤は、海外の設計者が自作者用に配布しているもので、出品は、その基盤を使った完成品だ。海外では、STAX純正のアンプをよしとせず、社外品のアンプで鳴らすかたも多いようだ。
海外のこの機種のレビューを読むと、同じようなSTAX用社外アンプ、BHSEと音色の傾向は違うものの、ほぼ同クラスという定評のようだ。
前述の2機種の違いはと言うと、出力に真空管を使うKGST、半導体を使うKGSSHV CARBONといったところだ。

個人的には、次の機器更新はDACと考えていた。その資金を回せば予算的にはなんとかなりそうだ。
もともと海外の自作用基盤だ。完成品など滅多にお目にかかれないだろう。ぼく自身自作方面の自信は全くない。

KGSTのほうが先にオークションが終了する。
ただ、イシノラボの真空管式のアンプが好みでなかったのが気持ちの中で引っかかっている。
とりあえず入札はしたが、気持ちの上で本命はCARBONだ。

案の定KGSTは逃した。
CARBONはうまい具合に落札することができた。
落札、入金後、すぐにCARBONはうちにやってきた。簡易ではあるが厳重な梱包で傷ひとつない。箱から出してラックに置く。
重い。
これが第一印象だ。ヘッドホン中心にしはじめてから、手持ちは小型の機器が増えた。ひさびさのフルサイズだ。

海外の基盤がベースなためか、入力電圧の切り替えが選択可能だが、出品者のほうで100vに設定いただいていた。ありがたい。

STAX使いの先達から、社外アンプに繋いだSTAXのヘッドホンは保証がきかないと聞いていた。いきなり高額なSR-009sを繋ぐ気にはならない。

まず最初はJADE2を繋いだ。ボリュームを上げる。
一音目から素晴らしい。
JADE2はどちらかと言うと反応が速く、情報量が多い。代わりに若干の深みが出にくいと感じていた。
その深みが出るのだ。
かと言ってJADE2の長所の、反応の速さが犠牲になっているようにも感じない。
これはイケる。
気になるのは音場だ。JADE2は広々とした音場も特徴のひとつだが、それが若干せばまったようにも聞こえる。
音色的には好みの方向なので、悩みどころか。

2、3日は、CARBONにJADE2で聞いていた。JADE2で音が良くなるなら、SR-009sではどうか。まあ壊れても自己責任だ。
ぼくはCARBONにSR-009sをつないだ。

すばらしく情報量が増えたように聞こえた。
音が速く聞こえる。音が曖昧にならず、すべての音が分離して聞こえるようだ。特筆するべきは低音だろう。他のアンプ、とは言えJADE2用のアンプと、イシノラボの真空管アンプしか他にはないのだからあてにはならないが、低音が締まって聞こえる。高音や中音と等価。スピード感が揃い他のアンプで聞いているときは、若干遅れていたのかもと考えさせられた。
良いことばかりではない。
CARBONは駆動力があるからなのか、SR-009sに接続すると曖昧さがなくなる。具体的に言うと余韻や響きが減る。音がスパッとはじまりスパッと終わるということなのだろう。キツく感じることも多い。
お前は、音を聞くのか、音楽を聞くのか。
ぼくはCARBONに、問われている気がした。